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二週間近い漂流の後、一平達は奇跡的に、駆逐艦に救出された。彼らはF島の海軍基地に搬送された。ここで、一平に特務大尉への昇進が伝えられた。
「吉崎特務大尉。ご昇進おめでとうございます。」
坂口兵曹長にそう言われ、一平は苦笑している。何が特務大尉だろうか。聯合艦隊には、乗れる艦はもう殆ど残っていない。乗る艦もなく、何処が海軍なのだろうか。
「まさに陸に上がったカッパだな。」一平は兵曹長にぼやいた。「こんな事なら、航空兵にでもなっておくんだった。」
「飛んでいるのは、敵機ばかりですよ。」坂口兵曹長が、慰めた。
あの海戦で、空母機動部隊は全滅した。大和は健在だったが、航空戦力が壊滅している以上、あの戦艦も持てる力を発揮できるとは思えない。また、警戒警報が発令された。守備隊は、高射砲を撃っている。敵は悠々と旋回し、四方に爆弾を投下した。こちらに戦闘機が無いことをよく知っているのだろう。一平は塹壕から空を見上げた。
五助は、カッターで同乗した主計兵と食料探しをする羽目になっている。機雷封鎖されたため、補給が殆どできなくなっているのだ。内陸部の陸軍守備隊はもっと深刻だという。ここが、餓島(ガダルカナル島)と化すのも時間の問題だろう。 |
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太平洋戦争関係の二次創作&オリジナル小説を書いています。
また、中世~近現代のロマンス小説も書きます。