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二次創作およびオリジナル小説(幕末~太平洋戦争と、ロマンス)や、歴史に関することなどのブログ
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楚漢の戦いに決着がついて早二年、劉邦、彼は既に帝位につき高祖となっている、は、宮殿から悠然と城内を見下ろしている。長年の戦いに倦み疲れた中原にも、ようやく太平の御代がやってきたのである。
農民の出であった儂が、ようもここまで。
劉邦は、自分の強運に感心するばかりである。
「陛下・・・」侍従が恭しく冠を差し出した。
謁見の刻限が近いのだ。皇帝とは窮屈なものだな、高祖はふと考える。そのような所は、沛公と呼ばれたころのままだった。
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戦端が開かれた。

漢軍は匈奴の陣を取り囲み、一斉に攻撃を開始した。それが、漢軍と匈奴との初めての本格的な戦闘となった。匈奴の兵のほとんどが馬に乗り、漢軍に矢を放った。しかし、漢軍が歩兵で攻め立てると、匈奴は一騎、二騎と戦線を離脱し始め、やがて総崩れとなり雲散霧消した。
やはり野盗の群れなのだ。漢の将兵達は嘲った。この戦いにより、将兵達の匈奴に対する恐怖心は消え去った。

まるで、彭城の戦の折りの我が軍のようだな。高祖は苦笑した。あの時、項羽は漢の主力を精鋭3万で叩き、56万の軍勢を、まさに蜘蛛の子を散らすように蹴散らした。あれほどあっけなく破れたのは、漢軍が群雄の集まりで忠誠心というものがなかったからだ。蛮族も同じなのだろう。いや、禽獣の心しか持っていないような輩であれば、目先の利にしか動く事はあるまい。
白登山に月が昇る。

吹き付けていた風も収まり、代わりに、底冷えのする寒気が降りてきた。高祖は外衣を二枚まといながら震えている。

咳下がいかの籠城戦のようじゃのお。」彼は陳平に話しかけた。

「しかし、あの匈奴の子わっぱめ、
ときの声なんぞ聞かせおって、無粋な奴じゃ。せめて歌でも聴かせる才覚が欲しいのぉ」高祖は勢いよくくしゃみをした。

「陛下。」高祖の空元気に、陳平は苦笑している。

しかし、この空元気が、ここの兵達にとってどれほど心強いことだろう。そうだ。絶体絶命の危機を幾度も謀略で乗り切ったではないか。力がだめならば、あとは頭を使うのみである。
陳平の奇策。

すなわち、冒頓単于の
閼氏あつし(皇后)を籠絡し、彼女を使って匈奴の王に和睦を認めさせるというものであった。ために、陳平は高価な贈答品を副使に密かに与えた。さらに、驚くべき奇策をも副使に授けていたのである。
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