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二次創作およびオリジナル小説(幕末~太平洋戦争と、ロマンス)や、歴史に関することなどのブログ
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地中海の主人公がギリシャから他国へ移っていった頃の物語である。

アテネにほど近い所にミネアという小ポリスがあった。ギリシャの多くのポリスと同じように海運で栄え、バザール(市場)では多くの異邦人バルバロイ相手の商店が建ち並び、ポリスの盛況を支えている。自由と民主主義、これをミネアの市民達も謳歌している。

そのミネアの町中でのことだ。

「自由と民主主義か、ご都合の良いこと・・・」

バザールを散策するミネアの市民達のなかで、一人不穏な呟きをするものがいる。すらりとした姿のまだ若い女だ。日焼けした肌に艶やかな黒髪を腰まで垂らし、思わず振り返るほど整った顔立ちの娘である。身につけているのは着古したキトンであったが、それがかえって、その娘の美しさを際だたせていた。

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夏のある日、いつもの通りヘスペリアは、休み無く働いた。ここのところ、用心棒の仕事が少なく、稼ぎが少なくなっていた。それを取り返すかのように、彼女は昼寝の間も荷造りの仕事を引き受けた。そのためバザールが終わる頃には、彼女はぐったりと疲れていた。
 
「働き過ぎだ。体をこわすよ。」デキウスが、軽食を渡しながら注意した。

「大丈夫よ。それより、また、ラテン語を教えて。」

パンをほおばりながら彼女が頼んでいる。青年は快く応じてくれた。ラテン語で話すとき、彼女はあたかもローマにいるような気持ちになるのだった。よそ者を比較的にせよ受け入れてくれるという噂から、ローマというポリスが、彼女にとっての希望となっていた。
 

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